ラジエターキャップの一考察
車のラジエターには、教科書通りラジエターキャップが付いている。(ラジエータかラジエーターかラジエターかはさて置く)
普通は0.9kgと書いてある奴が付いていて、ロードスターなどの熱的に苦しいスポーツカーや大型車には1.1kgって奴が付いている。
さらにスポーツ用と銘打った社外品で1.3kgってのも有るのはオートバックスなどで見れば分かるとおり。
普通の水は100度で沸騰するが気圧が上下すると沸点が変わるのは圧力釜でお馴染みだ。ラジエターキャップも同じで大気圧に加え0.9kg更に加圧されているため、その沸点はLLC無しの水の場合で118度となる。
(正確にはキャップ自体の製品誤差がプラスマイナス10〜15%有るので沸点の方も2度前後上下して116度から120度というところ。)
同じく1.1kgのキャップでは121度、1.3kgのキャップでは124度となる。標準品の0.9kgに比べ約1.4倍もの圧力を掛けているのに沸騰点の温度差は6度しかない。
ラジエター自体は名前通りエンジンから受け取った熱を、今度は車の周りの空気熱交換するのだが、熱交換の効率は完全に温度差に比例する。
真夏のアスファルト近辺の40度前後になるから、0.9kgのキャップの場合118-40=78度、1.3kgでは124-40=84度となり、その熱交換高率差は7.7%アップする。
1.4倍もの圧力を掛けて7.7%の冷却効率アップにしか成らないように感じるが、実はトリックでラジエターの前にはエアコンのコンデンサー(室外機)が有る。
真夏にエアコンを使用して走行している場合、コンデンサーを通過してラジエターに当たる空気を60度とした場合11%も冷却効率が上昇する。
そー聞くと高い圧力のものに変えたくなるが、最近の車の場合105〜110度くらいに水温が上がってしまうと、オーバーヒートでエンジンを壊さないように思いっきり点火時期を遅らせてしまう。
そーなると、エンジンのパワーは下がりただのエンジン式エアコンに成り果ててしまう。
つまり、スポーツ走行するような場合はパワーが命なので、キャップではなくラジエターを交換して大きくするか、別系統の廃熱装置としてオイルクーラーを付けるしかない。
また、一般的な使用では壊れなきゃ良いので、年に一回とか車検毎とかにLLCとキャップを交換してやれば良いだろう。
キャップとLLCはオイルやタイヤと同じ消耗品なのだ!
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