●昼間から飲んでいたので勢いに乗って、ふと入った刃物屋さんでソムリエナイフを買ってしまった。
普通のナイフでも有名なLAGUIOLE(ラギヨール)社製の高級ソムリエナイフだ、しらふだったらとても買わない(買えない)ような値段だった。
上が問題のナイフで下が100円ショップで購入した物。安物はナイフ部に刃が全く無くてグラインダーと砥石で加工した記憶がある。
それに比べLAGUIOLEのしっかりした刃の仕上げ。材質・デザインが良く・手に馴染む刃物は、確実に良い物で普通使うなら一生物だなどと自分をなぐさめていたのだが、ふと良く眺めると決して出来の良い物でなかった。
ワインの開けるときはスクリューをコルクにねじ込んだ後に、写真のレバーの段になっているところをボトルの口に当て、てこの原理でコルクを抜き取るのだ。
このとき、スクリューが瓶のセンターに有るのだから金具は絶対に斜めに瓶に当たる訳だが、写真を見て解るように安物の方は力を入れたときにレバーがボトルから逃げないよう角度がついている。LAGUIOLEの方は見た目カーブしていて良さそうなのだが、レバーの段から下が瓶の側面(首)にあたり力を入れるとレバーが逃げてしまう。
指に力がある方は金具が逃げないように押さえていられるかもしれないが、私がやるとすっかり逃げて瓶の口を欠けさせてしまう。
などと悩んでいると、あの田崎真也がこの部分に注文を付けた「田崎真也モデル」が有るそうで、何でも金具の段の幅(深さ)が広いそうだ。
やはりみんな使いにくいと思っているのだ!段の幅が広くても私にとっては解決になっていないので加工することにした。
写真のように斜めに瓶に当てても段が水平に瓶の口に当たるように、かつ段の下の部分が瓶の側面から逃げるように加工してみた。
材質がステンレスだが非常に柔らかいのでしっかりした金工ヤスリとミニバイス(万力)が有れば加工自体は簡単で5分もゴリゴリ削っていれば出来上がる。
バイスにくわえるときに金具のカシメのところを丁寧に挟んで、金具の変形やグリップの損傷も防ぐ。また傷つけたくない部分には電工用のビニールテープを貼っておくようにすれば、工具が滑って悲しい思いもしなくて済む。
それでこれが実際に使用しているところ、ノーマルのものをお持ちの方は比べると良く解ると思う。
レバーの先端が瓶首の側面に当たらず、かつ段の部分も瓶口と平行に深く接しているので力を入れても逃げない。これで堅いコルクも簡単に抜くことが出来る。
蛇足だが、削り進む内にレバー先端が刃状に尖ってくるので良く面取りしておかないと実際の抜栓時に手を切ることになる。(私くらいかもしれないが)
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