●初夏のある日、お気に入りのワインを買って週末に飲もうと楽しみにしていたら、締め切った部屋はかなりワインに良くなかったらしくすっかりだめになってしまった。こーいったことはワインの初心者にはとっても良くあることらしい。別段高価なワインで無かったけどとっても悔しい。
何か良い方法はないかと思って、「ワインセラー」のカタログを取り寄せ価格表を見てみるとかなり高価な物だった・・・
それでも諦めきれずに方策を考えていると、都合の良いことに家には冷蔵庫が2台有る。そこで、この際健康と財布のために冷蔵庫を改造してワインセラーを作ることにした。
企画/仕様:
企画と仕様はやはり大切なのでとりあえず軽い白ワインなど飲みながら企画を練ることにする(^^;
万全を期しながら対象となる赤ワインを全数調査しつつ開発会議を進行した。要するに何も考えずにワインを飲んで酔っぱらいながら仕様をまとめる。
制作方法:
冷蔵庫にはサーモスタットという温度制御をする部品が入っているのでこれを改造(再調整)して必要な温度に設定できるようにする。分解時には安全のためにコンセントは抜いておく。
先ずは冷凍庫の温度調整ダイヤル部カバーの写真赤丸の部分にネジが有りそれを外してばらしていく。カバーの内側に「鷺ノ宮」製のサーモスタットを発見。下の写真がサーモスタット本体。
赤丸をつけた部分が設定温度の調整ネジだ。このネジをぐるぐる回して調整するわけだが、このサーモスタット の場合は時計回りで設定温度が高くなり反対で低くなる。
先ず、最高温度でワインやビールを収納出来て最低温度で食品が収納できるように温度調整ダイヤルを最高温温度側(弱冷)にセットする。
次に冷蔵庫/冷凍庫用の温度計を庫内に入れてコンセントを差し込みドアを開けっ放しにする。コンプレッサーが起動して回り続けるが無視していると庫内温度上がっていく、温度計を見て必要な温度より2度ほど低い温度になったところでコンプレッサーが止まるようにネジを回す。
そのままドアを開けたまま再度コンプレッサーが動くまで待つ、この間にビーカーに水を入れ温度計を沈め庫内に入れておく。コンプレッサーが動いたらドアを閉め1〜2時間すると庫内温度が一定になるので目標温度より低い場合は高温側へネジを回す。我が家では丁度適当なミキシンググラスがあったのでこれに水を入れて調整した。
温度が高すぎた場合は注意が必要だ。サーモスタット内部には機械的な遊びがあるため、ネジの締め方向緩め方向で交互に調整すると遊びの分だけ設定温度がずれてしまう。もしくは調整できたと思っても数回サーモスタットが動作すると違う設定になってしまっている。従って調整時に同じ常に方向へ回して設定してやらないといつまでたっても必要な温度に設定できない場合がある。
実際には戻す量より1回転ほど多く回してから再度高温側に回すとよい。
また、ノーマルの温度調整ダイヤルを外してしまう場合は問題は無いが、我が家のように有効にする場合はネジを回すごとにダイヤルをフルストローク動かし機械部分の馴染みを取る必要がある。
以上の様に簡単に書いてあるが、水を入れてからの調整は1日数回ネジを回して数日かかる覚悟が必要だ。ちなみに私は1週間かかってしまった。
調整後の庫内温度は最高温度約8度から最低温度約4度の間を上下している。これは庫内の空気の温度なので実際のワインの瓶内温度は5.5度から6.5度程度の1度以内の温度変化に収まっている。
もちろんサーモスタットを電子式のものに取り替えれば庫内の空気温度で上下1度以内に収まるようになるが、温度センサーを取り付ける位置・調整用の温度計の公正や測定する位置の検討が必要になるし電源の引き回しもめんどくさいので今回はパス。
冷蔵庫部の改造は次号へ続く。
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